『コンバットサイドストローク』は、サイドストロークを軍隊向けに応用・進化させて生まれました。
では、”コンバットじゃない”普通の『サイドストローク』とはどのようなものなのでしょうか?
サイドストロークの起源

サイドストロークは1800年代に、未だ様々な泳法が試されていたなか編み出された、革新的な泳ぎ方でした。長距離を省エネで泳げること、非常に効率的であることから、広く普及することとなります。その後の約100年、より早く・より簡単に泳ぐための改良が重ねられ、1900年代初頭には当時もっとも速い泳法として、競泳界を席巻しました。
しかしその後、『クロール』が生み出されると、その座を取って代わられることになります。
サイドストロークの最晩年は、イギリス人、ジョン・トラッジェン(John Trudgen)が完成させたTrudgen strokeという型に昇華されました。
サイドストローク初期の形式を保ちつつもアグレッシブに進化し、クロールの原型ともいえるほどに変化。
ここまでくると、長距離を省エネで泳ぐにはあまり適さなくなりました。
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軍隊向けにアレンジされる
このようにサイドストロークは、競技の世界からは廃れてしまいましたが、長距離を省エネで泳げる特徴にあらためて注目する人々も現れました。アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズ(Navy SEALs)です。
海や川など水辺の環境を主戦場として想定する彼らは、長距離・長時間に及ぶ隠密潜入にうってつけの泳法として、このサイドストロークに着目しました。
そして、元シールズ隊員のStew Smithと、スイミングコーチのTerry Laughlinによって、軍隊向けに最適化された進化を施され、コンバットサイドストロークとして完成されました。
古来より日本にも日本泳法(または古式泳法)という、武士が甲冑を着用したまま泳ぐなど、主に武術として発展してきた泳法があります。(参照:日本泳法Wikipedia)
コンバットサイドストロークも、戦闘服を着た兵士が装備・銃を着用した状態で泳ぐという点で、同じ思想を持つ泳法と言えるかもしれません。
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