蹴らない?? バタ足の新常識・グイグイ進むバタ足のコツと自宅練習法

どんなスポーツでも、段階を踏んでレベルアップしていきますよね。
水泳教室でも小学校でも、水に顔をつけられるようになったら、次は伏し浮き、蹴伸び。
浮けるようになったら、いよいよ次は、バタ足。
そう、水泳の基礎、バタ足です。
プールサイドに腰かけてバシャバシャとキックの練習、それから、ビート板を掴んでプールの中で練習、しましたよね?

バタ足については、『ひざ下キックはダメ』とか、『脚をしなやかに使いましょう』とか指導されるのが一般的です。
ほかにも、『脚の付け根から蹴りましょう』とか。
だけど待ってください。
なんかイメージし辛くないですか?

このたび私は、一つの真実にたどり着きました。
バタ足って蹴らなくていいんです。
蹴るんじゃなくて捻る(ひねる)んです。
どういうことか? 説明しますね。

脚の付け根ってどこよ?

まず解剖学のお話し。脚ってどこから始まっています?

『股関節!!』
そうですね。

《脚の骨》が《骨盤》とドッキングして《股関節》ができています。
正確に言うと《大腿骨頭だいたいこっとう》が《臼蓋きゅうがい》に嵌まりこんで成り立つのが《股関節》。
ということは、脚の付け根は股関節ということでいいですよね?

骨的にはそれが正解です。
ここで視点を変えましょう。

脚を動かす筋肉はどこに付いているでしょうか?
大腿(太もも)と骨盤に付いています。

しかし実はこれで終わりではありません。

脚を引き上げる超強力な筋肉、腸腰筋があります。
そして腸腰筋は、大腿骨腰椎を結んでいます。
(小腰筋・大腰筋は大腿骨と腰椎を、腸骨筋は大腿骨と骨盤を結ぶので、正確には大腿骨と骨盤と腰椎)

つまり脚を動かす筋肉は、股関節にとどまらず腰椎まで伸びているのです。

これ全部《脚を動かす筋肉》と言えます

ということは、脚を動かす大本おおもとの起点は、筋肉的にはお腹の奥と言えるでしょう。
分かりやすい目印に置き換えるならおへそ

すなわち、筋肉的には脚の付け根はおへそなのです。
ということは、『脚の付け根から蹴りましょう』は『股関節・・・から蹴りましょう』ではなく『おへそ・・・から蹴りましょう』と理解した方が筋肉的には正解。

”走る”ことにも共通しますが、蹴りの推進力は太ももよりも腸腰筋で生み出す方が効率的です。
でも、おへそで蹴るってわけわかんないですよね?

ここで冒頭のワードが活きてきます。
蹴るのではなく、ひねのです。

腰椎と腸腰筋で”ひねる”

もう一度この図を見てください。

左右の腸腰筋は、体の中心・腰椎で一つに融合しています。
この腰椎を軸に下半身を捻るのです。
例えるならコンパスのイメージ。

脚を左右別々のものと捉えるのではなく、腰椎を起点にひとつながりのまとまりと考えてください。

二本の棒(脚)をそれぞれバタバタするんじゃなくて、軸を支点にぐるぐるひねる感じ。
バタ足は、上下への平行運動ではなく、回転運動なんです
腰椎を軸に回転させれば、両脚が互いに呼応するように揺れます。
上半身と下半身をおへそを支点にひねるイメージ。
おへそを支点にしたでんでん太鼓、あるいは子供が駄々をこねるイヤイヤポーズの動き。
または腰振りツイストの動き。

驚くほど楽に進む・捻ひねるバタ足の自宅練習法

椅子に座って練習

椅子に座って練習してみましょう。
はじめに普通のバタ足、脚で蹴るバタ足をしてみましょう。
浅めに腰かけて脚を浮かせ両脚を交互にバタバタ。
太ももの筋肉で頑張ってる、いつものバタ足ですね。

次に脚を浮かせて肩を”イヤイヤ”と揺すってみてください。
肩で風を切って歩くような動きです。

すると勝手に脚が連動してパタパタ動きませんか?
おへそを支点に、上半身と下半身が逆向きによじれるように。
そして脚だけを見ると・・・先ほどの”普通のバタ足”と全く同じではありませんか!

このとき、太ももに力って入ってます?
自然と脚が脱力できていることに気付きません?

勝手に脱力できちゃう”おへそバタ足”

そうなんです。普通のバタ足は脚に力が入って『筋肉頑張ってるぅー』感が強いのに、おへそバタ足は脚がりきみません。自然な脱力。
もうひとつ重要な点。
普通のバタ足は、脚を棒のように伸ばさず『脚をしなやかに使う』ことを意識すると、ひざの曲げ伸ばしを自分でコントロールしようとしてしまいます。
しかし”おへそバタ足”は、何も考えず勝手に膝のコントロールまでしてくれるんです。

膝の曲げ伸ばし?これからはもう考えなくていいです

意識を脚ではなくおへそに持っていくことで、脚が勝手に脱力します。
そしておへそからの鞭のようなしなりが効くので、膝も足首も力が抜けた理想の泳ぎが勝手に再現されてしまうのです。
なぜ”ひざ下キック”になってしまうのか? それは意図的に蹴ろうとしてしまうから。
あえて蹴らないことで、『ひざ下キックはダメ』『脚をしなやかに使いましょう』が一挙に解決できます。
これからはもう、脚の使い方をいちいち意識しなくていいんです。

こちらも参考に↓

プールでバタ足練習

ビート板を使って実際にプールで練習してみましょう。(できる方はビート板なしでも構いません)
これまでの常識では、バタ足=骨盤を固定して左右の脚をそれぞれ上下に往復運動、になりがちでした。
”おへそバタ足”を実践して感覚の違いを感じてみましょう。

最初に”おへそバタ足”を練習するときは、はじめはおへそにこだわらず、頭を軸に全身を左右に捻る意識で構いません。全身の揺らぎの波が最終的に足で推進力に置き換わるイメージ。
感覚が掴めてきたら上半身を固定して、おへそから下だけを捻るようにしましょう。

コツの付け足し

バタ足は、足の甲で水をとらえる面積を広くとると推進力が増します。
幅の狭いオールより広いオールで漕いだ方が水をたくさん捉えられるのと同じです。

つま先真っすぐよりも、やや内向きにした方が、足幅が広がります。
つま先が触れ合うぐらいの内股ぎみがベストです。

最後に

いかがでしたか?
これまで、「頑張って一生懸命にキックしているのに、どうしてこんなに進まないんだろう?」と思っていたあなた。
すぐにでもプールで試したくなったでしょう?

太ももで蹴らないことで、バタ足って驚くほどほど楽に、スイスイ進むことができるようになります。
『今までのあの苦労はなんだったんだろう…』
疲れないバタ足、身につけてください。
そして水泳をたのしみましょう!!

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