海水浴やプールで耳に水が入ってしまいなかなか出てこないイライラ、誰しも経験がありますよね。
どうしたら水をスムーズに耳から追い出せるのか、その方法をご説明します。
耳に水が入りやすい原因とは?
その前にまず、一体どうしてなかなか耳から水が出てこないのか?
それは耳の中の構造に理由があります。
耳の穴(外耳道)は、長さ約3cmほどのゆるやかなS字状の管で、鼓膜の手前で角度が急になっており、くぼみがあります。
ちょうどラッパの先端のような形です。
水が入り込んだ際、このくぼみに少量の水がはまってしまい、表面張力などの影響で耳の内部に張り付いて、頭を傾けても簡単には抜けにくくなるのです。

これが、耳に入った水がなかなか出てこない主な理由とされています。
耳に水が入ったままだとどうなる?
「耳に水が入ったままになったらどうしよう…」と不安になる方もいるかもしれませんが、通常であれば、水は自然に蒸発して元に戻ります。
ただし、耳垢が非常に多かったり、外耳炎を患っている場合は、耳の中に残った水が原因で感染症を引き起こすことがあります。
耳に水が入ったまま放置するリスク
耳に水が入った状態を放置すると、条件しだいでは以下のようなリスクがあります。
特にもともと炎症などがある場合、長時間放置するとリスクが高まります。
(普段の耳掃除では、外耳道を傷つけないように注意しましょう。)
- 外耳炎(スイマーズイヤー)
- 耳の中が湿ったままだと細菌や真菌(カビ)が繁殖しやすくなり、炎症を引き起こすことがあります。
- 症状:かゆみ、痛み、耳の詰まり感、耳だれ など。
- 中耳炎のリスク
- 鼓膜に傷があったり、鼻や喉の調子が悪いと、水が奥に入り込んで中耳炎になる可能性があります。
- 症状:耳の痛み、発熱、耳から膿が出る など。
- 聴力の一時的な低下
- 水が耳の中で滞ると、音がこもったように聞こえ、一時的に聴力が低下することがあります。
また、人は耳に水が入ってしまうと、自分の声が過剰に大きく聞こえてしまう症状が表れます。これを「自声強調(じせいきょうちょう)」と言います。水が耳の中に閉じ込められ外耳道の中に新しく共鳴腔ができることで起こるものであり、耳栓をした時にも同様の症状が表れます。
- 水が耳の中で滞ると、音がこもったように聞こえ、一時的に聴力が低下することがあります。
- 耳垢の膨張による耳詰まり
- 耳垢が水分を吸収して膨らむと、耳の詰まりを感じることがあります。
水の入りやすさに個人差はあるの?
「耳に水が入ったことがない」という方もいますが、耳への水の入りやすさは個人差があり、シンプルに耳の穴が大きければ入りやすく、小さければ入りにくいです。ただ耳の穴の大きさだけでなく、ほかにも形状、年齢など、様々な要因が複雑に絡み合っています。
耳の穴の形状は、水の流れに大きく影響します。耳の穴(外耳道)が比較的真っすぐな人は、水が入りやすい傾向に、耳の穴が奥に向かって、緩やかにカーブしている人は、水が奥まで入りにくい傾向があります。
子供は8歳頃まで外耳道が比較的まっすぐなため、水が入りやすいと言えます。しかし同時に、入った水はスムーズに出やすいので、深刻なトラブルになることは少ないです。
成長するにつれて外耳道が曲がっていく為、大人になると水は入りにくくなりますが、一度入ると出にくくなる傾向にあります。
また、耳垢が溜まっていると、水を吸い込み、水が奥まで入り込みやすくなります。
耳に入った水を抜く方法
まず、やってはいけないダメな行動は、これ。
- 耳に指を突っ込む → 外耳道の皮膚は薄くて繊細なので傷つける可能性が有。
- 綿棒や耳かきを使う→もともと弱い外耳道の皮膚は、水に濡れることでさらに繊細になり、綿棒のようなソフトな刺激でも傷つくリスクがあります。またプールの残り水が傷口に付着すると感染や炎症の恐れもあるので、綿棒・耳かきはあまりおすすめできません。
では次に水抜き法7選を
- 片足ジャンプ(重力を利用)
- 水が入った側の耳を下にして、片足でジャンプする。
- 軽く頭を傾けて振るとさらに効果的。
- 引っ張り&振る
- 耳たぶを軽く引っ張りながら、頭を左右に振る。
- 顎を大きく動かして、口を開閉するのも有効。
耳たぶを引っ張ったり、口を開閉すると、外耳道が変形し、水が抜けやすくなります。
- 呼び水法
- 水が入った側の耳に手ですくった水を流し込み、頭を傾けて水を出す。
新しく入った水が呼び水となり、元の水を引き出してくれます。
- 水が入った側の耳に手ですくった水を流し込み、頭を傾けて水を出す。
- ドライヤー
- 耳に入った水をドライヤーで乾かす方法です。
- 大抵のプールにはドライヤーが設置されているので、比較的利用しやすいが、時間がかかることは否めない。
- 蒸しタオル法(温熱効果)
- 温めたタオルを耳の周囲に当てると、耳の中の水が蒸発しやすくなる。
- その後、頭を傾けて水を出す。
- 吸引効果(手のひらを使う)
- 手のひらを耳に押し当てて、素早く離すことで真空状態を作り、水を引き出す。
- こより法
- ティッシュペーパーをこよりにして耳に差し込み、水を吸い取る。
- ヴァルサルバ法(耳抜き)
- 鼻をつまんで口を閉じる。
- 軽く鼻から息を押し出すようにする(強くやりすぎない)。
- 内圧が調整され、水が排出されることがある。
- アルコール<個人的にはこれがベスト>
- 水が入った方を上にして、アルコールを耳に数滴垂らす。5秒ほど経ったら、耳を下に向ける。
- アルコールが蒸発するときに、耳に残った水も一緒に蒸発してくれる。
一回でほぼスッキリ水が消えます。
プールに行くときには、容器に入れて欠かさず持っていきます。



耳にアルコールを注いだときには、少しカッと熱くなる感覚がありますが、痛みは感じません。
一気に耳を下に傾けたときのこもりが取れる爽快感は格別です。
※アルコールにアレルギーのある方は使用しないでください※
対処法をまとめると、
<その場で出来る> | <道具をつかう> |
片足ジャンプ | ドライヤー |
耳たぶ引っ張り&頭を振る | 蒸しタオル |
呼び水法 | ティッシュこより |
吸引効果(手のひらで) | アルコール |
ヴァルサルバ法(耳抜き) |
その場で出来る対処法は、誰しもが実践済みのものも多いでしょう。
それでも解決できない場合は、道具を使った一段階上の方法が役立ちます。
耳に入った水をドライヤーで乾かしたり、蒸しタオルで蒸発させたりは、多少時間を要する解決策です。
ティッシュのこよりやアルコールを使った方法は、短時間で解決できる方法です。
耳に水を入れないための予防策
そもそも始めから耳に水を入れないのも有効な対策です。
スイミングキャップや耳栓を使う方法があります。
水を通さないシリコンのスイミングキャップで耳までカバーしたり、耳栓を使うことで耳に水が入るのを防げます。


耳栓と併用するイヤーバンドというものもあるみたいです。
病院に行くべきケース
とりわけ以下の症状がある場合は、早めに耳鼻科を受診しましょう。
- 耳の痛みが続く
- 耳が聞こえにくい状態が長引く
- 耳だれ(膿や血が混じった液体)が出る
- 強いかゆみや腫れがある
まとめ
- すぐに水を抜くために、ジャンプ・頭を傾ける・手のひらで吸引などを試す。
- 放置すると外耳炎や中耳炎のリスクがある。
- 痛みや異常があれば早めに病院へ。
試しても抜けない場合は無理せず、耳鼻科で診てもらいましょう!
容器のリンク貼っておきます。
中身は消毒用エタノールです。
※アルコールにアレルギーのある方は使用しないでください※
この耳栓もオススメです。
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